ふくおか県酪農業協同組合

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100億余脱粉削減策が始動 酪農現場は生産抑制型へ模索
経験のない試練が酪農の生産現場を襲っている。新型コロナウイルス禍の乳製品需要縮小の一方、生乳増産基調で需給ギャップは拡大し、また、生処、国合わせて総額100憶余の脱脂粉乳削減スキームも動き出す。生乳廃棄の危機は続き、新年度からの生乳需給対策は「抑制型」への転換を含む。ロシア侵攻で世界経済が不透明感を増す中で、大転換の2022年度が始まった。
中酪「減産は選択肢にない」
ホクレンや関東生乳販連をはじめ指定生乳生産者団体を束ねる中央酪農会議は3月上旬、生乳過剰下の2022年度生乳需給対策を示した。現在、具体的な内容を検討中だが、消費拡大も含め需給正常化を目指す生産抑制型への転換となる。Jミルクの進める過剰脱脂粉乳削減対策のスキームに参加するほか、独自に低能力牛淘汰への支援も行う。
中酪は2月2日の地域交流牧場全国連絡会で、寺田繁事務局長が生乳需給情勢を説明した。この中で過剰の厳しい現状に触れると共に、今後の計画生産の基本的な考え方を示した。中酪傘下の交流牧場は教育ファームを主導する先進農家の集まりで、地域の酪農家を牽引する存在でもある。当然、今後の需給の行方に高い関心を持っている。寺田局長は「乳製品在庫が積み上がる中で減産計画となると懸念する酪農家も多いかと思うがそういった手法はとらない。それ以外の形で、消費拡大も含めて難局を乗り越えていきたい」と説明した。つまり、従来の過剰時の減産計画は選択肢から外すと言うことだ。
3月に新生乳需給対策提示
中酪に取材すると、減産型計画生産とは、かつての生乳過剰時に実施した前年度対比98パーセントなど全国一律の減産計画を示し、各ブロック指定団体に割り当てる手法を指す。そうした減産計画を採用しないにしても、コロナ禍の生産過剰は日を追うごとに深刻化していることは、中酪が示した需給情勢の数字からも明らかだ。ただ、今後の計画生産は増産基調の北海道と中小の家族酪農が中心の都府県と分けて考える必要がある。寺田局長はその根拠として、1月28日に示したJミルクの2022年度生乳需給見通しを挙げた。全国で100・8パーセントと4年連続の増産を見込むものの、都府県は99・2パーセントとなる。「自然体でも都府県は全体でマイナスとなる。その中で減産計画を示せば、酪農家は生産意欲を失い生産基盤を毀損することになりかねない」というわけだ。
だが、生乳過剰は深刻だ。3月に示した中酪の22年度生乳需給対策は、都府県での低能力牛淘汰の促進など、今までとは様変わりした「生産抑制型」への転換も含めたものとなった。
過剰直視し飲用乳価据え置き
これまで経験のないコロナ禍の生乳過剰は、さまざまな局面で深刻化している。
典型の一つは22年度の指定団体と大手乳業メーカーと生乳取引交渉だ。都府県最大の指定団体、関東生乳販連の交渉は、主力の飲用向け乳価をはじめ全て「据え置き」で1月末に決着した。通常、加工用途はホクレンの交渉結果を待って決めるが、北海道が交渉中の時点での早期決着は異例だ。酪農・乳業最大の課題である生乳需給改善へ双方が協力して取り組みとの共通認識で一致したことが大きい。

酪農家の間には、コスト増大などを理由に最後まで飲用乳価引き上げの声も強かった。そこで、「飼料・資材加工高騰など酪農家の窮状を踏まえて価格改定への協力も求めていく」との、指定団体の意向に乳業も理解を示した。一定の需給改善へ双方が協力しながら、コスト上昇が酪農経営の限界となれば、再度の乳価交渉の余地も否定しないとのことだろう。かつて、飼料、資材費が世界的に高騰した時には、「酪農家の再生産を守る」を合い言葉に年度内に飲用乳価値上げを2度したこともある。
22年度畜酪政策価格の「思考停止」
関東生乳販連の乳価交渉「据え置き」決着は、他指定団体にも影響を及ぼさざるを得ない。価格にこだわっていて、需給改善が進まなければ、結局は乳業の取引乳量にも波及しかねない。「需要のないところに取引なし」の原則がある。万が一、乳業から取引数量を削減されれば、行き場を失った原料乳は最悪、委託加工せざるを得ず、乳価の大幅な下落を意味する。

一方で、22年度飲用乳価据え置きは、昨年末の22年度畜酪政策価格決定との関連を踏まえるべきとの指摘も強い。昨年12月24日の農水省食料・農業・農村政策審議会畜産部会で畜産局は、全ての畜産酪農政策価格を据え置くという「ウルトラC」をやってのけた。「据え置き」決着の時は、政治的な配慮が働いた結果だ。

特に注目されたのが、酪農での算定の行方。飼料代などコストの値上がり、物流費上げで指定団体に支払われる集送乳調整金をはじめ加工原料乳補給金等単価キロ10円85銭の引き上げも想定された。一方で乳製品過剰から、かつての加工原料乳限度数量に相当する総交付対象数量345万トンの削減を見通す指摘も出た。結果は全て「据え置き」。関係者からは「これでは農水省は思考停止と見られてもやむを得ない。コスト分の補給金は上げ、逆に交付数量は若干削減することで、酪農家に需給情勢のシグナルを送る必要があった」との声も出た。

加工原料乳補給金据え置きは、その後に控える飲用乳価交渉に影響を及ぼし、全酪農家に行き渡る飲用向けも「据え置き」の路線が避けられなくなった。
余剰感は牛乳小売価格にも影響
酪農生産現場では、需給緩和の厳しさがひしひしと伝わっているが、スーパー店頭の牛乳価格から消費者にも目に付く事態が増えてきた。牛乳安売りだ。

乳業メーカーは脱脂粉乳の過剰から、できるだけ飲用牛乳で生乳を処理しようとする。スーパーへの販路拡大も価格対応の割合が高くなる。量販店も日配物の牛乳は毎日の生活に欠かせず、集客の目玉になりやすい。そこで、牛乳の安売りの回数が増えていく。
Jミルク需給短信でも牛乳の前年割れが続く。

乳業メーカーからスーパーへの納入価格水準にもよるが通常、末端小売価格200円以上でメーカーの採算が取れるとされる。200円割れは恒常化すると、メーカーにとって牛乳製造は赤字部門になる。最大手・明治の「おいしい牛乳」は品質重視で安売りをせず200円台を維持し、市乳製造部門のビジネスモデルともされる。

だが、生乳過剰は、牛乳販売前線の足元を揺らす。首都圏では、農協系プラントや中小乳業とともに森永乳業など大手乳業といえども特売日に178円など安売りが出てきた。対抗上、明治「おいしい牛乳」でも、店によっては200円割れの販売が出ている。
インフレ下で酪農乳業のデフレ傾向
牛乳安売りで需要が伸びればいいが、価格低迷と販売伸び悩みが同時で続けば、結局、メーカーの原資がなくなり、川上の酪農家の乳価抑制にもつながりかねない。生乳過剰→牛乳安売り→乳価低迷という酪農乳業の「悪循環」に陥りかねない。

食品の相次ぐ値上げで、日本はインフレ傾向が家計を直撃し、節約志向が強まってきた。小麦粉など海外原料の値上げ、円安を理由にメーカーが製品値上げをしている。しかし、酪農乳業界は、コロナ禍による需要減と生乳過剰が「重し」となり、逆に安売りと乳価抑制のデフレ傾向が顕著となってきた。
〈ホルスタイン〉仕様で全中会長「問題はこれから」
1月13日、今年初めての中家徹JA全中会長会見で、記者席には「日本の酪農を応援」と銘打ち生乳過剰是正へ牛乳を5割以上使用した全農の新商品ミルクティーが配られた。全中は通常、作物別では水田農業を中心とした農政運動を繰り広がる。酪農を話題にするのは極めて珍しい。それだけ、今回の生乳過剰の深刻さを裏付ける。さらには年度末の3月9日の臨時総会後の会見では、中家会長以下、臨席した専務、常務全員がマスクとネクタイを白地に黒の水玉模様の「ホルスタイン」仕様で登場。春先以降の生乳需給緩和で危機感を訴え、NHKの翌朝の全国ニュースで放映されるなど、インパクトを与えた。

中家会長は「マスコミ報道もあり年末年始の生乳廃棄はどうにか乗り切った」と話した。筆者は「生乳廃棄回避で乳製品過剰はさらに深刻化している。年度末、5月連休とさらに廃棄の懸念は続くのではないか」と質問した。中家会長は「確かに生乳廃棄の懸念はさらに消えず問題はこれから。年度末も注視したい」と応じた。中家全中会長は中酪会長も兼務する立場にある。

年末年始の生乳廃棄回避がマスコミでも大きく取り上げられ、一件落着の楽観ムードがただよっているが、実態は全く逆だ。過剰は一段と深刻化している。「問題はこれから」だ。

コロナ禍の生乳過剰は、もっとも需給緩和が深刻な3月から5月の時期となった。再び生乳廃棄回避への対応と、脱脂粉乳の在庫削減も急ぐ必要がある。官邸主導で強行された畜産経営安定法改正の制度欠陥こそが問われなければならない。
牛乳家計支出は大幅減
年度末にかけていくつかの重要な統計資料がまとめってきた。2021年の家計調査は、末端消費の動向が分かり注目したい。ここで、食品の家計支出で大きく落ち込んだのがコメと牛乳だ。今後の生乳需給とも関連する。
食品への家計支出は2年連続のマイナス。コロナ禍で一時盛り上がった巣ごもりによる内食需要が一服し、農畜産物は全体的に軒並み減少した。特にコメは前年対比8・6パーセント減、牛乳は5・9パーセント減と落ち込みが大きい。二つの品目とも、国内農業を支える重要な物だが、コロナ禍で需給緩和が深刻となっていることを裏付ける。
「対処療法」在庫減らし
牛乳の家庭内消費が落ち込む中で、1月28日に発表したJミルクの2022年度生乳需給見通しは、乳製品過剰の深刻度を示す。コロナ禍で在庫削減の行方は不透明感を増すばかりだ。
関係者挙げた脱脂粉乳の在庫対策、飼料用への置き換えなどの措置を取っても在庫水準が10万トンを突破し、11万トンに迫ることが明らかになった。これだけの在庫積み上がりは過去経験がない。ホクレンによる前年度計画対比101%(うち1%は新規参入分など)の生乳計画生産徹底でも脱粉在庫はなお10万トン前後になると見られる。つまりは、酪農、乳業、さらには国支援の2万5000トンの在庫削減スキームも「対処療法」に過ぎないと言うことだ。
「猛暑」想定のリスク
生乳需給は夏場のお天気次第と言われる。需給が逼迫する夏場の7、8、9月がどんな天候、温度で推移するかで飲用牛乳、脱粉、生クリームなどの需給が一変する。現在のような過剰局面で酪農乳業界は今年の「暑い夏」を切望するばかりだ。
夏場をどう想定するのか。今回の生乳需給見通しでJミルクは「猛暑」と設定した。そうなると、元々暑さに弱いホルスタイン種の生乳生産は伸び悩み、逆に需要は増える。つまりは需給が締まる可能性が高まる。需給見通しはそうした「暑い夏」を前提に、数字がはじかれたことを見落とすべきではない。
見通し発表の農水省会見で「猛暑設定は最も需給タイトとなる。もし夏場の気温が平年並みならさらに乳製品在庫は拡大しかねないのではないか」との質問に対し、Jミルクは「猛暑は平年より0・9度気温が高い想定。ここ数年の気象状況を踏まえた。確かに猛暑設定はもっとも需給が締まるケースとなる」と応えた。

毎年のように異常気象が繰り返される。懸念されるのは「猛暑想定」が外れた場合の需給悪化だ。この場合は、暑さが和らぎ乳牛コンデションが良くなり生乳生産は伸びる一方で、牛乳・乳製品の需要は鈍る。結果、過剰は一段と深刻になる。現実には昨年夏がそうだった。8月に入り、本州で晴天がほとんどない天候不順が続き、需給緩和が顕著となった。それに、コロナ禍での生クリームなどの業務用需要不振が加わり、生乳過剰を招く〈ダブルパンチ〉となり、現在に至る生乳過剰が深刻化した。
実際の今夏の天候は誰も分からない。ただ需給見通しを「猛暑」設定とした以上、需給は、酪農生産地で増産に急ブレーキが掛かり、大きな需要拡大の波が起きない限り、引き続き乳製品処理にも一喜一憂するような事態からなかなか脱しきれない可能性が高い。
生乳需給ギャップ30万トン超
中央酪農会議は、Jミルクの見通しを基に農水省の乳製品輸入枠も折り込み、実際の生乳需給を試算し、関係会議などで過剰の深刻さを説明している。
試算によると、22年度生乳供給量は766万トン(前年対比100・8パーセント増)。うち北海道は437万トン(同102・1パーセント)、都府県は329万トン(同99・2パーセント)。つまりは、需給改善には増産が続く北海道をいかに生産抑制型に転換できるかがカギを握るということだ。
生乳需給を見る場合には、脱粉ベースと、バターベースの二つで試算するが、脱粉・バター向けの中央値で生乳換算の供給過剰は30万トンを超す。指定団体別ではホクレン、関東に次ぐ3番目となる九州の集乳量の半分近い数量は過剰となる計算だ。
年末年始に喧伝された「5000トン生乳廃棄懸念」とは桁違いだが、この数字はあくまで、需要と全く関係なく乳製品工場での加工処理能力を超えなおあふれそうな数量に過ぎない。実際は、需要がないのに、廃棄回避のためにどんどん乳製品を製造し、結果的に脱粉を中心に在庫の山が積み上がっている構図だ。
バターも過剰懸念
実は脱粉に加え、家庭需要が好調とされてきたバターでも在庫が増え予断を許さない状況と見た方がいい。
Jミルクの需給見通しでバターに注目すると、21年度期末在庫は4万2500トン、月数で6・9カ月分だが、22年度は5万2700トン、7・9カ月分に大きく増える。国・ホクレンの在庫置き換え対策(8000トン分)を差し引いても、22年度も大きな在庫を抱える可能性が高い。
在庫削減スキーム始動
前述したように年末年始の「生乳廃棄」は、関係者の懸命の努力でどうにか乗り切った。問題は新年度4月以降の対応だ。脱粉2万5000トン削減のスキームも動き出す。
ただ問題は、水道に例えれば蛇口、つまりは川上の酪農家段階の需給に応じた生産抑制がどれほど効くのか。そして根本問題は、コロナ禍で主力の飲用牛乳消費を伸ばし、脱粉削減に効果的なヨーグルト需要の拡大しかない。
北海道は懸命の努力
1月中旬、ホクレンの篠原末治会長は定例会見で今後の生乳需給動向について「自然体で推移すれば今年度当初の契約数量から1パーセント(約4万トン)程度上振れする。乳製品在庫が高水準にある中、春休みには再び、生乳生産量が全国の乳業工場の処理能力を超すことが懸念される」と、引き続きの生乳廃棄の恐れを明らかにした。
こうした中で北海道では契約数量内への生産抑制を進めると共に、春休みの乳製品処理へ懸命の努力を続けている。
乳牛淘汰で独自支援
十勝、根釧など北海道東部の酪農主産地ではJA単位で老廃牛、低能力牛の早期淘汰などを呼び掛け、応じた酪農家には1頭当たり3万円補助など独自予算を組む。
さらには、生産にブレーキを掛けなければ4月以降の22年度の生乳需給緩和が一段と悪化することから、酪農家の選択制による減産の程度に応じて支援策を検討するケースもある。ただ、生乳生産量を一定確保しないと財源不足になるジレンマも抱える。
当面の課題と対応
Jミルクの需給見通しで、最重要箇所は資料末尾の「需給動向を踏まえた当面の課題と対応について」だ。ただし、農水省をはじめ、関係者の思惑が入れ乱れて修正があるためまともに日本語として読むのは難しい。
業界紙などで、そのまま掲載しているケースもあるが、何を意味するのかそのままでは分からない。ましてや専門家でもない一般読者には判読不能な箇所が多々あるに違いない。そういう時こそ、ジャーナリストの眼光紙背に徹することが欠かせない。
「課題と対応」で、コロナ禍での需給安定に関し乳製品過剰の状況を放置すれば「乳製品処理による需給調整が破綻し、飲用市場を含めた生乳流通全体が混乱する恐れ」とまで言い切っている。だからこそ、在庫削減に酪農・乳業に加え国も支援したとし、在庫調整対策を「より実効性を高め、適切に運用していく必要がある」と強調した。つまりは、実効性が担保されなければ意味がない。ある程度の在庫減らしを行っても、半面で生乳増産が止まらなければ需給是正は叶わないとの意味合いも含む。
さらに22年度も需給ギャップ拡大の可能性が高いことから業界挙げ「輸出も含めた新規需要創出など継続的な需要拡大に最大限取り組むことが必要であると共に、国家貿易による乳製品の輸入・売り渡しの適切かつ弾力的な運用が強く求められている」とした。
輸出や新規需要が増えれば結構だが、現状はそうならないからこそ問題となっている。そこで、生産者の不満は国内での生乳過剰の中で国家貿易の輸入が果たして必要なのかというところに行き着く。むろん、ガット農業交渉時の国際約束でカレントアクセス分(生乳換算13万7000トン)の輸入が求められている。農水省は2年連続で輸入枠内に抑えたが、当然だろう。
国の市場隔離廃止で需給機能脆弱に
過剰下で国家貿易としての輸入に酪農現場が違和感を持つのはもっともだ。
「課題と対応」で「輸入・売り渡しの適切、弾力的な運用」を強く求めたのはこうした反発の裏返しでもある。
過剰なら国家が食料安全保障上の備蓄を兼ね在庫として市場隔離すればいい。コメでも100万トン規模の回転備蓄を実施している。だが乳製品の隔離放棄は、22年前の2000年5月の加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の一部改正で、いわゆる不足払い制度の廃止、農畜産業振興事業団による国内産指定乳製品買い入れの廃止が決まった。それ以降、生産者自らの計画生産で需給調整を行う仕組みに変わったが、今、改めて国が乳製品市場隔離から手を引いたことによる需給調整機能の脆弱さが浮き彫りとなっている。
今こそ「真」の改正畜安法検証
指定団体一元集荷廃止、生乳無条件全量委託を認めない改正畜安法の問題点は、食料・農業・農村審議会畜産部会などのたびに、生産者団体、乳業メーカー双方から繰り返し指摘されている。だが、制度の検証は、規制改革推進会議の要望に添い、独占禁止法に基づく指定団体の組織的な圧力の有無などに焦点が当たっている。むろん独禁法違反は論外だが、制度欠陥の検証の要諦はそんなところにない。「需給と経営の安定」に資するか。それがなされていないのなら、どう制度を政策的に補強するかに移らなければならない。今こそ「真」の制度検証が必要な時だ


(次回「透視眼」は6月号)