日本(にほん)には6世紀頃(せいきごろ)に伝(つた)わったとされる牛乳(ぎゅうにゅう)。その受容(じゅよう)や利用(りよう)は時代(じだい)とともに変化(へんか)してきましたが、日本(にほん)を代表(だいひょう)する歴史小説家(れきししょうせつか)・司馬遼太郎氏(しばりょうたろうし)の名作(めいさく)『国盗(くにと)り物語(ものがたり)』で、牛乳(ぎゅうにゅう)と戦国武将(せんごくぶしょう)・織田信長(おだのぶなが)とのこんなエピソードが紹介(しょうかい)されています。当時(とうじ)は牛乳文化(ぎゅうにゅうぶんか)が廃(すた)れていた時代(じだい)で、「牛乳(ぎゅうにゅう)を飲(の)むと牛(うし)になる」という迷信(めいしん)が出回(でまわ)っていました。少年時代(しょうねんじだい)の織田信長(おだのぶなが)は、迷信(めいしん)をものともせず牛乳(ぎゅうにゅう)を飲(の)んでいましたが、そのことをたしなめられると「牛(うし)に本当(ほんとう)になるかどうかを試(ため)しているのだ」と答(こた)えたそうです。子供(こども)のころからの豪傑(ごうけつ)ぶりが垣間(かいま)みえますね。